若い人材が集まらない建設業・・・
カギは”夜間の仕事を作らない”ITツールの活用
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建設業界でも少子高齢化が進み、若い人材の獲得が難しくなりつつある中、労働基準法が改正されるなど働き方の抜本的な改善が求められています。一方で、長年にわたる働き方や習慣を急に変えるのは難しいもの。建設業界の各社でも試行錯誤が続いています。そこで本記事では、まずは建設業界に若手人材が集まりにくい背景を探り、検討すべき打ち手をご紹介します。

現場のIT活用 3つのポイント
厚生労働省が公開している「毎月勤労統計調査」(※)によれば、2019年度の建設業月間総労働時間は168.2時間(平均)であり、年間では2,018時間という結果が出ています。東日本大震災の復興工事への対応以降上昇傾向にあり、2014年の2,078時間をピークに減少しましたが、全産業の平均1,669時間と比較すると、349時間も長いことがわかります。他の産業と比べても長時間労働の傾向があることに加え、長年にわたり長時間労働が常態化している状況です。
(※)厚生労働省 「毎月勤労統計調査 令和元年分結果確報(P7.第2表 月間実労働時間及び出勤日数)」
一方建設業界で働く若手にとっては、休みが取りづらいことが離職理由の上位に挙げられています。
長時間労働は現在の若手の価値観と乖離する傾向なのかもしれません。
既存社員の高齢化が進む中、優秀な新入社員を採用し、若手を多く確保していくためには、長時間労働を解決することが喫緊の課題であるといっても過言ではありません。

2019年4月1日に政府が施行した改正労働基準法では、建設業でも2024年4月までに時間外労働の上限が罰則付きで規定されました。
・原則月45時間かつ年360時間
・臨時的に特別な事情があり、かつ双方の合意がある場合、年720時間(=月平均60時間)
・年720時間以内を前提に、複数月の平均が月80時間(休日労働含む)以内、単月なら月100時間未満(休日労働含む)
この36協定に違反した場合、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられることが知られています。そして、その適用は事業主だけではなく、残業の可否の権限を持っている上司も罰せられる可能性があるのです。
(参照:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」)
残り4年の猶予があるとはいえ、それまでに労働時間の短縮に向けた段階的な取り組みが各企業に求められています。しかしながら、長時間労働を抑制しつつ、労働生産性を向上させることは簡単ではありません。今までのやり方を見直す、新たな打ち手が必要とされています。
上記のような背景から、建設現場では長時間労働を改善するための様々な試みが行われていますが、大きな成果を出しているのは、やはり「IT」をうまく活用しているケースです。
施工現場の関係者間でのコミュニケーションを可能にするチャットツールや、工程表の作成・管理を効率化するためのツール、図面・資料・帳票などの膨大な書類をペーパーレス化するツールを活用するなどして、業務を大幅に効率化した例もあります。
ではなぜ、ITツールが業務効率化に有効なのでしょうか?カギとなるのは建設業界の特有の働き方にマッチしたITツール選びです。
建設業界の中でも、特に効率化が難しいのが施工現場と言われています。その主な理由のひとつには、1日の業務の中で、“施工現場での業務”と“、報告書作成などの”事務所で行う業務”の両方が存在する事が挙げられます。日中は施工現場で業務し、夜は事務所で書類を作成する・・・・という働き方です。
また、ITツールを導入してスマホで写真を撮影するようにしても、事務所に戻ってから撮影した写真と場所の紐づけを行う必要があるなど、ITツールを使ったとしても、思うように効率化が図れなかったというケースもあります。
1日の終わりには膨大な事務作業がある・・・という状況は、いわば「日中の仕事が夜間の仕事を作っている状況」。
これでは抜本的な労働時間の短縮にはつながりません。
解決には、「できるだけ日中の作業で業務が完結できる」という視点でのITツール選定が重要です。
「クラウド型図面共有システム CheX(チェクロス)」は、施工現場からiPadで図面や部材表などのドキュメントを閲覧・共有することが出来るITツールです。
図面や書類上にメモを入力し、その内容を関係者間で瞬時に共有する事が可能なため、事務所でのメモの統合・整理作業は不要です。また、iPadのカメラでは写真や黒板写真の撮影もでき、撮影した写真は、写真帳としてエクセル形式で出力する事も可能です。
もちろん撮影した写真は図面上の場所と紐づけられるため、あとからどこの写真かわからなくなるといった事もありません。
さらに設備領域においては、照度や風量などの測定業務の効率化も見込めます。
照度計や風速計等の測定器と無線で連携すれば、直接CheXに測定値を取り込めます。また、測定値が設計値を満たしているかの合否判定も測定時に自動で行うため、再測定のために事務所と現場の往復する・・・なども不要になります。
事務所では収集したデータをもとに自動作成される測定帳表を印刷するだけなので、大幅な時間短縮に繋がります。
「できるだけ日中の作業で業務を完結させたい」とお考えの企業様は、こちらのページよりCheXの詳細をご覧ください。
これから社会人になる若手人材は、ITツールの活用が当たり前な「デジタルネイティブ世代」。
そんな彼ら・彼女らが、”日中は紙の図面を持ち歩き、夜は事務所で手書きのメモを書き起こす職場“で働きたいと思って貰えるか――。
この機会に、「日中で仕事を完結するためには、どうすればよいか」という視点で、ITツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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