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キーワードは「見える化」。
進化が続く建設現場の安全管理事例5選

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人材不足や就労者の高齢化が深刻化する今、建設現場の安全対策はかつてないほど重要になっています。そして、その対策のあり方は各現場で日々模索されており、新たな実践例も生まれてきています。そこでキーワードとして挙げられるのが「見える化」です。本記事では、労働災害防止に寄与する「見える化」の事例をご紹介します。

お役立ち資料
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現場のIT活用 3つのポイント
全産業では年間1万件超の労働災害が発生

厚生労働省が公表した平成30年の労働災害発生状況によれば、労働災害による死傷者数(休業4日以上)は127,329人で、前年より5.7%増加したと発表されています。そして、死亡者数は 909 人で前年比7.1%の減少となっています。

労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む「第13次労働災害防止計画」(※)では、死傷者数の5%以上減、死亡者数の15%以上減を目指していました。しかし、多くの業種で死傷災害が増加したため、前年度よりも死傷者数の数値が悪化した形です。建設業界については、死亡者数は減少傾向にあるものの、数値としては全産業でワースト1位となっています。

※厚生労働省 「第 13 次労働災害防止計画 P.2 (3) 計画の目標」

今後、安全管理対策を強化し、労働災害を低減させていくためには、ICTの活用がポイントとなるかもしれません。

 

ICTを活用した建設現場の安全管理が拡大

ネットワークの高速化に加え、スマートフォンやタブレットが普及したことにより、建設現場の様々なシーンでICTが用いられるようになりました。そうした中、安全管理対策にICTを活用するケースが増えています。

例えば、作業員一人ひとりにウェアラブルカメラ(ゴーグル)を装備させ、その位置情報を「見える化」することで重機との接触事故を回避するといった取り組み。

他にも、作業員や重機の位置情報をログとして記録し、その導線を「見える化」することで隠れたリスクを炙り出すといった取り組みも存在します。

この他にも、IoTやARの活用など、ICT活用の例を挙げれば枚挙にいとまがありません。

しかし、その本質は高度な技術を活用することではなく、様々な要素を「見える化」したことにあります。そして、結果として作業員の安全確保につながるならば、ICT自体は一手段に過ぎないと考えることもできます。

では、「見える化」によって建設現場の安全性を向上させた事例としては、どのような取り組みがあるのでしょうか。

実際にいくつかの事例を見てみましょう。

事例① 血圧測定を定例化し、社員の健康状況の見える化

1つ目の事例は、朝礼の際に血圧測定を行い、計測結果をKY日報に入力するというもの。

計測を日々の業務の中に組み込むと同時に、そのデータを見える化することで、社員の体調管理に活かしています。

事例② トランスミッター付き温度計を利用した見える化

2つ目の事例は、熱中症予防としてトランスミッター付き温度計を利用したケースです。

この事例では、温度と湿度を一括で管理・見える化する目的で、トランスミッター付き温度計を各フロアの作業現場に設置。

インカムを併用して定期的な声掛けを行い、熱中症の予防と早期発見に努めるとともに、コミュニケーションを円滑化することで作業効率の向上にもつなげました。

事例③ 電子化した図面と写真・動画による指摘事項の見える化

3つ目は、アプリによる図面の電子化と、指摘事項の見える化です。

図面共有アプリを利用したケースでは、プロジェクトに関わる全員が常に最新情報をベースにしながら、画面上で報告や確認を実施。

結果、打合せ時間の削減にもつながり、安全管理対策により長い時間を割くことが可能になりました。

また、安全・品質の指摘連絡アプリを利用したケースでは、タブレット上の図面に安全パトロール時の指摘事項や現場の写真を登録して、是正担当者のスマートフォンにタイムリーに共有。

また、同アプリの機能を使い、指摘事項の是正状況を色別に管理することで、安全対策の対応漏れをなくすことができました。

事例④ 指摘別のチャットルームを活用した共有事項の見える化

4つ目は、専用アプリを使うことで、指摘事項の単位でチャットルームを立ち上げ、是正に至るまでのプロセスを見える化したケースです。

現場で行われた指摘は、その箇所に是正が入り、その最終確認が取れて初めて対応が完了します。

しかし、数十数百に及ぶ指摘事項が発生した場合、その経緯も含めて管理していないと、現在の状況が分からなくなる恐れがあります。

そこでチャットルームやチャットグループを開設するなどして、必要な関係者間で一連の経緯を共有することで、連絡事項の伝達漏れやミスを防ぐことにつながっています。

事例⑤ ビーコンによる危険行動の見える化・監視

最後にご紹介するのは、ビーコンとフックの連携によって「安全帯の利用状況を見える化」した例です。

このケースでは、高所作業所にビーコンを設置。

そこにヘルメットにビーコンを付けた作業員が近づくとアラートで警告し、確実に安全帯を着用するように促す仕組みです。

加えて、安全帯のフックにつけられたセンサーが安全帯の使用状況を検知し、サーバーに送信。現場責任者は管理画面上から、安全帯の利用状況を確認できるという流れです。

即効性・継続性のある安全管理の「仕組みづくり」がポイント

今回ご紹介したケースは様々ですが、安全性を向上させるための取り組みには2つのポイントがあります。

それは、即効性と継続性です。

即効性とは、その取り組みの効果やメリットがすぐに見えるということ。そして、継続性とは、多忙な建設現場の作業者に必要以上に負荷を与えることなく、日々取り組んでもらえることを意味します。

こうした仕組みを活用し継続的に安全・品質管理を行ってこそ、成果は徐々に表れてきます。

見える化のメリットを生かしながら、安全管理の推進に努めていきましょう。

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